エスニックブーム – Il boom della cucina etnica

エスニックブーム – Il boom della cucina etnica20数年前、ローマのある年下の友人で「中華料理?油っこいって聞いたから、食べたことない」なんて言う人がいた。当時から街のあちこちに中華料理店があったというのに、一度も食べたことがないなんて私には信じられなかった。日本では新しいパンケーキ屋がオープンすると店の前に長い行列ができたりする。この件だけで決め付けたわけではないが、イタリアの人は食べることに関して好奇心旺盛な私たちとはちょっと違うのかなあと感じていた。
毎回ローマへ行くと必ず寄る店がある。Castroniという食材を扱うチェーン店だ。イタリア各地から集められた食材やエスニック料理の食材が並ぶ。今回行ってみて気がついたのは、エスニック食材の売り場面積が増えていたことだった。店に入った瞬間ふわっと漂うスパイスの香り。レジの横にはテトラパック入りの ” TOFU ” も並んでいた。ピーナッツやちょっとしたおつまみを売るコーナーには、ばらで「歌舞伎揚げ」も売られていた。
日本から持っていった食材の中に、チューブ入りのしょうががあった。豚のしょうが焼きでも作ってあげようかと思い買ったのだが、思いがけず義母から生姜がブームであることを聞き、お土産として置いて行った。
帰国する前日、ある友人とバールで会った。本当は夕食に行きたかったのだが、時間がなくアペリテーヴォでもしようということになったのだ。外のテーブルに座って待っていると、素敵なカクテルとともに3種類のおつまみが出された。ひとつはポテトチップス、もうひとつはピーナッツ、そして最後はなんと歌舞伎揚げだった。山盛りのおつまみを食べながら、30分だったが彼女の近況を聞くことができ嬉しかった。こんなに食べたら、とても夕食は入らない。家へ帰って家族と最後の晩餐。明日でローマともお別れかと思うと胸がいっぱいで、頼んだピザも一切れしか入らなかった。

今週の格言 ” Il sorriso è una chiave che apre tutti i cuori ”

(イタリア語講師 広瀬美穂)

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